盗難発生警報装置自主基準登録制度Q&A

【基本編】

Q1新保安基準はいつ、誰が定めたのですか?
A12003(平成15)年7月7日に国土交通省によって定められ、2006(平成18)年7月1日から運用が開始されます。
【参考】→保安基準化について「概要」
【参考】→自主基準登録制度制定について
Q2自動車メーカーは新保安基準を守る必要がありますか?
A2はい、自動車メーカーのみならず、車両に盗難発生警報装置やイモビライザーを装着した場合は、新保安基準に適合する必要があります。
Q3この技術基準を守らないとどうなるのですか?
A3車両に装着する盗難発生警報装置、イモビライザーは技術基準に適合している必要があります。 万一不適合品を装着した場合には車検に通過しない可能性があるだけではなく、整備不良車とされる恐れがあります。
全国自動車用品工業会では、盗難発生警報装置の登録品に対してVASマーク、イモビライザーの登録品に対してIMBマークを発行しています。
Q4どんなクルマが対象なの?
A4【対象車両】
  • 乗用の12V自動車
  • 貨物用の総重量2t以下の12V自動車
【対象外車両】※記載に乗用・貨物用の指定がない項目は乗用/貨物用問わず
  • 乗車定員10人以上の乗用自動車
  • 貨物用の総重量2tより重い自動車
  • 2輪車(側車付き含む)
  • 3輪車
  • 車両電源が12Vではない自動車
  • カタピラ及びそりが必要な軽自動車(乗用)
  • 被牽引自動車
Q5どうやって基準を満たしているかを判断するの?
A5法的要件を満たしているかどうかは試験を行わないと判断できません。 その為、全国自動車用品工業会が 中心となって自主基準を策定・運用することとしています。自主基準の運用において、合格品には登録証が付与され、この登録証がある製品であれば車検時に検査が短縮されます。 ⇒但し登録品であっても不適切な取付状態が確認された場合は不合格となります。
Q6自主基準登録制度はいつから運用されますか?
A62006(平成18)年6月より運用を開始します。
Q7自主基準登録証は必ず車検証に添付しなければならないのですか?
A7必須ではありませんが、盗難発生警報装置、イモビライザーを装備している場合には、車検時の審査の参考資料として利用されます。 あるいは、技術基準適合の証明書の提出を求められる可能性がありますので、車検証に添付することをお勧めします。
【参考】→登録制度の運用「登録証明書」
Q8今乗っているクルマに盗難防止装置がついているのですが、適合品ではないと思います。2006(平成18)年7月1日までに適合品に変えたほうがいいのでしょうか?
A82006(平成18)年7月1日以降に初年度登録される車両に適用されます。 初年度登録が2006年6月30日以前の車両は審査対象外です。
Q9盗難防止装置を必ず車両につけなければいけないのですか?
A9強制装着ではありません、あくまでも任意装着品となります。しかし、車両に装着する場合には技術基準に適合した製品の装着でなければなりません。
Q10盗難発生警報装置とイモビライザーを両方装備する装置の場合申請は同時に行うことができますか?
A10はい、申請書に必要事項を記載し同時に申請していただくことができます
【参考】→登録制度の運用「登録制度用各種書類」
Q11指定試験機関への申請は全自用工が行ってくれるのですか?
A11いいえ、試験機関への申請には、当会の定める試験依頼書をダウンロードしプリント後必要事項を記載して、そのほか必要な機材、書面を取り揃え各社ごとに指定試験機関に申請を行ってください。
【参考】→登録制度の運用「登録制度用各種書類」
【参考】→登録制度の運用「指定検査場」

【機能編】

Q1リモコンの規制はあるの?
A1まず、電波法(総務省制定)に適合していなければなりません。 また、キーレスエントリー式ドアロックとの連動も認められていますが、その場合は5万通り以上のIDを有していないといけません。代表的な使用電波の種類は特定小電力(認可が必要)と微弱電波です。
Q2サイレン音に関しての規制はあるの?
A2サイレン音は『警報音』と『予備警報音』とに区別されます。共に道路交通に使用される他の音(音声)と著しく異なるものに限ります。『予備警報音』とは予備的に警報を発する為に鳴らす警報音のことで、短い警報音(注)を指し、『警報音』(本警報)に関しては主に以下の基準があります。
  • サイレン音の大きさ:100dB以上(警音器の測定方法に準ずる)
  • サイレンタイム:1回の警報時間が25秒以上30秒以下
  • サイレン音の音質:周波数範囲指定、変調幅指定あり
(注)予備警報音は鳴動時間が10秒以下かつ90dB以下が目安となります。 また、自動車の警音器(クラクション)をサイレンとして使用することも認められています。
Q3ボイスサイレンって認められるの?
A3システムのON-OFF時などの設定状態(設定、設定解除等)に関する情報提供もしくは予備警報に音声信号を発することは認められています。ただし、ボイスのみを本警報としては利用できません。
(注)警音器(クラクション)との併用は認められています。
Q4光による警報に関しての規制はあるの?
A4サイレン同様、『警報』と『予備警報』があります。 警報の灯光は、緊急自動車の警光灯と紛らわしくないものであることが前提です。 室内灯、ハザード、車幅灯などの灯火の使用が認められています。 自動車のハザード/ウインカーと連動することも認められています(ON-OFF連動3秒以内)。
また、本機能とステータスディスプレイが兼用となっていることについても認定範囲内です。ステータスディスプレイの規定は、UN規則No.48の要件を満たす必要があります。目安として、車室外装着は0.5cd以下、車室内装着は3cd以下となっています。
Q5パニックアラームって必須項目?
A5そうではありません。任意機能であり、装備されていない製品でも構いません。 しかし、装備が許されるパニックアラームにも細かな規定は存在します。
(注)盗難発生警報装置のON/OFFに係わらず、操作によりパニックアラームを発することが出来ます。また、パニックアラームの他任意機能には自動診断機能なども認められています。
Q6消費電流に規定はないの?
A6通常試験条件(電圧=12(±0.2)V、温度=+23(±5)℃)において、ON状態でステータスディスプレイを含む盗難発生警報装置全体で平均20mAを超えないことが条件です。オプションを追加する際はカタログ等にて消費電流の確認が必要です。消費電流を低く抑えることで、バッテリー上がりを防止しています。
Q7センサーは何が必須なの?
A7ドアの不正開放を見張るセンサーが必須です。 ボンネットやトランクは任意(2024(令和6)年1月1日以降の新型車および、2026(令和8)年5月1日以降は継続車に装着する場合は必須)となります。 また、衝撃センサーや傾斜センサーなどは追加センサーに類され、任意の機能となります。 いかなるセンサーも誤警報の恐れがない構造でなくてはなりませんが、追加センサーによる警報(本警報)は誤警報の迷惑性回避の為、回数の規定があります。
【追加センサー】(例)
  1. 車室内センサー、ガラス破壊センサー等、自動車への侵入に係る情報の感知/通報を目的として追加的に備えるセンサー
  2. 傾斜センサー等、自動車の窃盗を試みるために行われる自動車への干渉に係る情報の感知・通報を目的として追加的に備えるセンサー
※車室内センサーとは、代表的なものに超音波センサーや赤外線センサーがあります。 衝撃に関しても上記 b. に当たります。
Q8誤作動に関しての制限はあるの?
A8ドア、トランク、ボンネットの警報(本警報)以外は、盗難以外の要因により外部からの影響を受けた場合も含めて、全ての警報の合計が10回までとなります(予備警報には回数制限がありません)。
Q9簡易的に取り付けできる製品は適合するの?シガレット電源タイプは?
A9電池内蔵型やシガレット電源タイプなどの製品は積載物の扱いとなり、保安基準の適用外です。
Q10アンサーバック機能は必須条件?
A10必須ではありません(使用電波の規定=電波法適合のみ)。技術要件として、無線送信による警報信号を発する機能を有していても良いと、認められている機能です。
Q11動作環境等に基準はあるの?
A11水や塵、温度等に関しての耐性や動作確認など厳しい基準とそれを試験によってクリアする必要があります。
Q12その他にも基準はあるの?
A12様々な技術的な基準が設けられています。全国自動車用品工業会では、すべての技術基準を満たした製品のみを登録しています。